アメダマ
2020年4月26日
いつも診察後にバッグからアメダマをたくさん取り出して
「先生、どうぞ」
うれしそうに手渡してくれるおばあちゃんがいる。
そのアメダマは決まって「黒糖アメ」。
ニコニコ笑いながらくださるので断り切れない。
あまり甘くないけれど、診療後になめるとなかなか美味しくて、疲れが取れる。
時には低血糖で倒れそうな患者さんになめさせて救ったこともある優秀な黒糖アメだ。
ある日、大分たまってきたので「もうたくさんあるから大丈夫ですよ」と、感謝の気持ちを伝えた。
その次の週、緊急事態宣言が出された。
おばあちゃんは、あれからクリニックには来ていない。
あんなにたくさんあったアメダマはあと少ししか残っていない。
なんだか申し訳ない気持ちになった。
早くコロナが落ち着いて普通の診療がしたいなあ。
odaseikei142