歩いていこう

私は、大学病院でたくさん手術をしました。

外科医として患者さんに接して来ました。

今は、開業医として診療しています。

開業医は、外来でどれくらい患者さんの辛い症状を癒せるのか？

「手術」という武器を使えない外科医は、どうやって患者さんに寄り添えばいいのか……。

今までたくさん悩みました。

“飛べない鳥”のような自分を責めたりもしました。

どうしたら外科医の頃のように飛べるか……。
どうしたら患者さんと一緒に飛べるのか……。

毎日、朝から晩まで外来診療して、くたくたになりながら、ある時、気づきました。

自分も患者さんも飛ぶ必要なんかない。

「地面に足をつけて、患者さんと共に歩こう」。

そう気づいたのです。

それからは、みんなの笑顔に会えるまで、
みんなと一緒に歩いていこうと決心しました。

38歳で開業して、今日、51歳になりました。

一緒に歩いているみんな、ありがとう。