【巧緻運動障害】 巧緻(こうち)運動障害って聞き慣れない言葉ですよね。
2021年6月23日
巧緻(こうち)運動障害って聞き慣れない言葉ですよね。
巧みに緻密に動かすことが出来ないという意味です。
脊椎・脊髄病を専門とする私たちはよく診る症状です。
上肢の場合は、上手く箸を使えなかったり、ボタンかけが出来ない、字が書きづらい等。
下肢の場合は、つまずきやすい、階段の上り下りが怖い、とっさの動きが出来ない等があります。
脊髄が原因の場合は、治療が必要なこともありますが、高齢になると徐々に運動機能が低下するので気づかないことが多いです。
とくに下肢症状が悪化すると転倒しますので要注意です。
また、とっさの動きが出来ないというのが厄介です。
高齢者が車を運転して、一番危険なのがこの巧緻運動障害だと思います。
普段は割と普通に歩行しているように見えても、とっさの下肢動作が出来ません。
自分で動かしているつもりでも、足は動いていません。
通常は車のブレーキを踏む際に、アクセルからブレーキへと横にスライドしますが、このスライドが出来ていないのです。
頭ではブレーキを踏んでるつもりが、巧緻運動障害のために、スライド出来ずにアクセルを踏んでしまいます。
残念ながら、自分では認識していないのです。
痛ましい事故が起きないためにも、高齢者の巧緻運動障害はもっと認知されるべきです。
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