【痛みの不思議】 「痛み」の治療は以前に比べて格段に進歩しました。
2021年1月23日
「痛み」の治療は以前に比べて格段に進歩しました。
「消炎鎮痛剤」しかなかった時代から、最近では痛みだけをターゲットにする「疼痛治療薬」へと進歩しました。
私たちが医師になった頃は慢性的な痛みにも急性の痛みにも「同じ薬」を使っていましたが、今はそれぞれ違う薬を使用します。
歳のせいだからと諦めていた患者さんの痛みを和らげられることが出来るようになったのです。
痛みとは本当に不思議なものです。
例えば、膝が痛くて膝に水がたまっている患者さんがいます。
通常なら関節にたまる水は関節の炎症が原因だから、炎症を抑える治療をするのがセオリーです。
それで水がたまらなくなる患者さんもいますが、治療に抵抗する場合もあります。
そういった患者さんは当然、痛みも強いです。
そこで、痛みだけをターゲットにする薬を使うと不思議なくらいに水がたまらなくなります。
局所的な炎症ばかり治そうとするのではなく、患者さんが困っている痛みを優先に取ってあげると全てうまくいくことがあります。
人間の身体は反応性に動いています。
不快な痛みはいろいろな悪影響を及ぼしているので、治療がなかなかうまくいかないときは「痛み取ること」に全力を傾けるようにしています。
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